「ととさま!私のナイト様はどんな感じなの?」
大国アルジェント国では大層大切にされた王女が居ました
「イリニがきっと仲良くなれる子だと思うよ、この子だ」
国王はそう言うと後ろについていた一人の女の子が前に出てくる
「彼女はポレモス、イリニより2歳年上の騎士だ」
「宜しく御願いします、イリニ王女」
ポレモスはそう言うと淡くイリニに微笑みかけた
イリニは初めてきた騎士への喜びと自分とあまり変わらぬ年頃の女の子と話すことに照れたように笑った
「うん!ポレ!私はイリニ!王女はいらないよ!」
イリニは満面な笑みを向けポレモスに抱き付いた
「それじゃあイリニ、私は仕事に戻るよ、ポレモスと遊んでいなさい」
国王はイリニの頭を優しく撫でた後部屋を出た
「…ポレは、ポレはさ…死んだり…しない…?」
国王が出て行った後突然イリニはポレモスに問い掛ける
「…何故、そのような?」
ポレモスは目を細めてイリニに聞き返す
「かかさまは私が赤ちゃんのとき戦で死んでしまったの、だからこわいの、ポレも消えてしまわないか」
ポレモスの手をそっと握り締めイリニは俯く
「…私は、死にません。イリニ様のお側にいますよ」
「本当に…?」
「はい、約束します」
ポレモスはイリニの手を握り返すと優しく慰めるように笑んだ
「…うん!約束ね…ポレ…!」
イリニは顔を上げてポレモスを見たあと屈託のない笑みを浮かべた
「はい、約束です。私がイリニ様を護り、そしてお側に」
ポレモスはイリニの手の甲に口付けする
「……うん…ね…ポレ、私達友達になろう!私他の女の子と話すの初めてで…だから…ポレとは…家来…とかそういうのいやなの…」
「……私でよろしければ…恐れながら友人に」
「うん!ポレ!貴女は私の初めてのお友達ね!」
このときイリニ8歳、ポレモス10歳
二人は導かれるように出逢った
(王女と女騎士が交わした約束)
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